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 たった二文字
© 癸壱 
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 R指定:無し
 キーワード:卒業 中学生 切ない
 あらすじ:君にずっと伝えたかったこの言葉。例え伝わらなくても、君に今言いたいんだ。
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「卒業しちゃったね。」
「うん。」

卒業式が終わり、俺と浩(ヒロ)はいつも通る登下校の道をゆっくりと、ゆっくりと歩いていた。

この道を通るのももう最後。
そして…この気持ちにももう終止符をうちたい。

だから…ずっとずっと言えなかったこの二文字を、俺は言うよ。

これでもう終わりにするから。

だから神様。

俺に勇気を下さい。


「…浩。」
「んー?」

名前を呼ぶと、浩は下を向いたまま返事をした。
俺も下を向いたまま、口を開き、小さな声で

「好き。」

と言った。

下手したら聞こえなかったかもしれない。
それでも、俺にしては物凄い勇気が必要だった。

このたった二文字がどれだけ俺を苦しめただろうか。


「弥度(ミド)。」
「ん?」

今度は浩が俺の名前を呼び、俺の目の前に笑顔で立ち止まった。
そして

「俺も好き。」

って笑顔で言ってくれた。
でも

「うん、ありがとう。」

君の「好き」は友達の「好き」。
俺とは違う「好き」だから。

ごめんね、君にこんな感情を抱いて。

ごめんね、君に素直に「好き」と伝えられなくて。

今度君に会う時は、新たな気持ちで君に「好き」と言いたい。









2007/02/22
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