返信する

 さくら、ひらり
© 小町 
作者のサイト 
 R指定:無し
 キーワード:切ない、雰囲気、スト重視
 あらすじ:サイトの壱万ヒット記念短編です。
▼一番下へ飛ぶ




きみが今ここに居ること
共に歩くこと
ねぇ、幸せだよ?


さくら、ひらり



いつもの横顔とは違う、少し怒ったそれ。

こんな想い知らないきみは、三歩先を急ぎ足で歩く。







もう長いことに一緒にいるからさ、
背中の色だけで考えていること全部わかるんだ。


悲しくても
苦しくても
つらくても


ぜんぶぜんぶ、一人で飲み込んで、溜め込むんでしょう?





狂い咲いた桜の花びらが、控えめに夜の空に散って、きみの上へ


ひら
ひら
ひら




「…たかあき、」


桜が綺麗だったから、
そんな理由じゃダメかな

右手をポケットに突っ込んで歩くきみの左手にそっと触れた。





「………」

「、…俺、幸せだから」


このままで、十分幸せだから。




ぽつり、呟くように吐いた言葉。
きみだけに、届くようにと





さくら、ひらり

きみの涙も、俺の涙も

ぜんぶ、ぜんぶ呑み込んで







「ごめん、…ごめん……」





たとえ、認められない恋だとしても、壁が多くても


ねぇ、今は幸せだから

謝る必要なんてないよ。







「綺麗だな……桜。」

「……、う、ん。」





きみと見るこの美しい景色は、ただそれだけは壊れないことを切に願う。


10年後も、20年後も


ただ抱き締められたこの腕が、ここにありますように。

そんな小さな願いすら、奪わないで。







さくら、ひらり




二人の涙は、夜空に舞うさくらと共に、



ひらり
ひらり



散った。











FIN



――――――――――

認めてもらえない恋愛。
障害はたくさんあります。







2007/02/27
▲ 始めに戻る

作者のサイト
編集

 B A C K 



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]