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 電車の中にて
© りう 
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「…最悪…」


満員電車の中、暁がうんざりと呟いた。


「仕方ないよ、こんだけ混んでるんだからさ」

「誰のせいだと思ってんだよ?!」

「うん、オレが店頭販売のおじちゃんの包丁さばきに夢中になってたからだねぇ」

「しみじみ言ってんじゃねぇ!」


じろりと至近距離で睨み上げてくる暁に、


「はいはい機嫌直して」


ちゅっ


「!!??なっ、おま…ッ!」

「大丈夫、誰も見てないよ」

「だっ、そういう問題じゃねぇだろがッ!」

「騒いだ方が目立つよ」

「っ、」


確かにこんな満員電車の中。

旭も暁もそれなりに身長はあるが、周りにとけ込んでしまっている。
それに周りは自分の事で手一杯で、静かにしている分には他の人になんて目はいかない。


「――〜っ!!!!」


僅かに頬を赤らめこちらを睨む暁。

そんな表情も可愛いな、と思いながら


「降りたら覚えとけよ…!」


低くそう言う暁に、ちょっとヤバイかな、と自分の行く末を心配する旭がいた。



暁の鉄拳が飛ぶまで後数分。




end.







2007/03/03
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