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初恋〜青い果実〜
R指定:無し
キーワード:初恋 高校生
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目を反らす事が出来なかった。
何か強い力で胸を掴まれる感じがした。
それが恋だという事にまだ気付いていない。
何時もそこに有るものが必ずしも残っているとは限らない事に気付かされた。
「先輩、今日は空が青いですね」
屋上で空を見上げながら隣でタバコをふかしていた先輩に言った。
「お前馬鹿じゃねえか?
?#ez0423;ヘいつでも青いんだよ」
コーヒーの空き缶に吸い殻を捨てながらそう言われた。
「じゃあ先輩の瞳は空ですね」
綺麗な青色の瞳をしているから
そんな事を思っていたら先輩に笑われた。
「和弥!!またこんな所にいて!」
屋上に来たのは先輩の彼女。
「わりぃな」
やさしく微笑みかける視線は俺ではなく彼女。
かなわない。
略奪する勇気もない癖に、一人屋上に取り残される。
「今日の空が青いな」
涙に歪む空の青さが悲しくなった。
?#ez0148;ニに出る気もしなくて風が心地好く吹く屋上に昼寝をしていた。
話し声が聞こえたので目を覚ましそっちの方をみたら、同じクラスの和弥と後輩くんがいた。
「仲良いんだな。あいつら」
途中で和弥の彼女が来たのをきっかけに後輩くんが一人になった。
しばらく見ていると、後輩くんが仰向けに寝転がるのが見えたので、少しずつ近付いてみた。
「安久津先輩、気配消えてませんから」
しかもずっと見てるなんて趣味悪い。
「なんでバレた?」
安久津先輩は先輩と同じクラス。
赤い髪が強い印象を持つ。
「赤い髪が見えてましたよ」
起き上がり、安久津先輩と向き合った。
「報われない恋はやめなよ」
やっぱり気付いていたか。
「なんなら俺がいるし」
「遠慮しときます」
苦笑いしながら、安久津先輩に背をむけた。
「ごめんごめん。
初?#ez0211;ヘ報われないものだよ。
後輩くん」
安久津先輩と屋上を出る。
もう少ししたら、分かるかも知れない。
でも、今はこのままがいい。
end
2007/01/17
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