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[1] ジェフ・アダムズ
By あなたの背後
09-20 12:03
1988年、LAの北西サン・ガブリエルで連続殺人が起こった。
 ひとり目の犠牲者はサリー・ウィムブッシュという元モデルで、いまは富豪と結婚し引退して豪奢な暮らしを楽しんでいた。
 彼女のもとに『夢魔』という署名で脅迫文が送られてきたのは、引退生活をまだ満喫しきったとは言えない頃のことだった。
「おまえの夢のような生活を悪夢に変えてやる。夢魔」
 こういったたぐいの文章が綴られた手紙が、3週間のうち12通届いた。彼女は怯え、夫はガードマンを3人雇って警備にあたらせた。だが手紙はやまず、そのうちの一通には彼女の寝室の様子が事細かに描写された挙句、
「おまえはここで死ぬかな? いや、暖かい夜ならプール・サイドで?」と結ばれていた。また、
「体中の穴という穴をふさがれて、無言の苦悶のうちにこときれるだろう」
 と書かれた手紙も届いた。
 8月末の暑い夜、サリーはプール・サイドでレイプされ殺された。
 遺体を発見したメイドは、「あれほどエレガントで高貴だった奥様の尊厳を、あれ以上粉々に踏みにじるやり方は他にないでしょう」と述べた。死体はそれほど、むごい有様だった。
 サリーは全裸で、「大の字」のかたちに両手足を開かされ、おのおのの手首、足首を大理石のベンチの足に縛りつけられていた。膣にはペリエの瓶、直腸にはボールペンが突き立てられ、割り箸が鼓膜を破っていた。また喉いっぱいに犬の糞が詰めこまれていた。
 彼女が窒息死したのはあきらかだった。この美しい富豪夫人は、喉の奥まで糞便を詰め込まれたあと、それによって完全に呼吸が絶えるまで放置されたのである。
「おそらく想像を絶する苦しみだったろう」
 と検死官はコメントした。
 3人のガードマンはその夜、ロッカールームで着替え中、何者かに外側から鍵をかけられて一晩中閉じこめられていた。捜査は徹底的に行なわれたが、難航した。
 サリー事件の捜査が継続中、『夢魔』の新たなるターゲットが「脅迫状が届いた」と署に連絡してきた。
 この女性、ジューンも美しく裕福であり、夫は大手の俳優エージェントで彼女自身は元ニュースキャスターだった。
「おまえに苦痛をくれてやることに決めた。おまえはじきに生まれてこなけりゃよかった、と思うだろう。夢魔」
 またサリーのときと同様、寝室の様子を詳しく書いた手紙も届いた。
 警察は24時間体勢で彼女の警護にあたった。しかしそれにも関わらず、手紙は忽然とあらわれ彼女のもとに届いた。
 ある夜、夕食前の着替え中にジューンは寝室で殺された。
 同じくレイプされており、鼓膜は割り箸で突き破られ、膣にはクリスタルの燭台、直腸には鉛筆が根元まで突き刺さり、喉にはやはり動物の糞が詰め込まれていた。
 近隣の住人はパニック状態となった。住民はそれでなくとも妬まれることの多い、富豪や成功した実業家たちの集まりである。妻はたいていが若く美しい。しかしガードマンも警察も役に立たずふたりもの被害者が出たのだ。それもとんでもない無残なやり方で。
 そこへ3件目の殺人が起きた。手口はまったく同じで、若く美しい富豪の妻がレイプされ、体中の穴に異物を突き立てられ、動物の糞で窒息死していた。
 全米でもトップクラスの富裕な男たちは、どれほど金と権力があっても妻ひとり守れないことを知り、恐れおののいた。
 だが4件目の犯行で『夢魔』は自らぼろを出した。マスクをかぶり、黒のトラックスーツを着た犯人は犬の糞を手に豪邸に住む若妻に飛びかかったが、その途端警報が鳴りひびき、同時に防犯カメラのビデオが作動した。彼はガードマンの追っ手をかいくぐって逃げたが、そのビデオは有力な証拠となった。
 そこに写っていたトラックスーツが幸い、地元ではまだ二着しか売れていないものだった。クレジットカードの記録から、ヴォイス・コーチで生計をたてているジェフ・アダムズという男が浮かびあがった。
 事情聴取した警官は、おどおどして神経質そうなアダムズに好感を抱かなかった。
「やつは腰抜けでした。――素晴らしくいい声をした、腰抜けです」
 その直後、アダムズはトラックスーツを処分しようとしている現場を押さえられ、身柄を拘束された。
 彼の家からはサディスティックなポルノが多数押収され、部屋に貼られた手製のステッカーには『牝犬には糞を喰わせろ』という文字が蛍光色で浮きあがっていた。
 また、被害者たちの遺体のいくつかには唾液が付着していたが、その唾液中からは癲癇の抗痙攣剤が検出された。その薬剤は彼の家から発見されたものとぴったり一致した。また鼓膜を破るのに使用された割り箸も発見された。
 アダムズはかたくなに無罪を主張したが、やがて指紋が検出され、状況証拠は固まった。
 ジェフ・アダムズは癲癇を併症する分裂病患者で、16歳のときディスコ・パーティで「金持ち女」にいたぶられ公衆の面前で侮辱されて以来、特権階級の女に疼くような憎悪を抱いて生きてきた。
 しかし法廷で精神科医は
「狙いは富裕な女性である必要はなかったはずだ。ただ彼には敵意を向ける相手が必要だっただけです」
 と述べた。
 そしてあれほど厳重な警備をどうやってかいくぐったかについて、アダムズは、
「目立たない格好をしてただけです。だがわたしの集中力と決意は警察をはるかに上回っていた。だから、やり遂げられたんです」と言った。
 事実、4件目の杜撰で衝動的な犯行がなければ彼は逮捕されることはなかっただろう。警察は、狂人の強い決意の前では法の執行者など無力に過ぎないことを思い知らされた。
 アダムズは心神喪失を認められず、懲役刑となった。

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[2] By 質問
07-03 18:10
マソウンコチャーーーン(゚Д゚)
iPhone
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