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[1] ピザを頼んだのは誰だ!?
By 許すまじ
05-29 12:23
2003年8月28日アメリカ・ペンシルベニア州エリーのピザ屋に電話がかかってきた。声が小さくて聞き取れなかったオーナーのトニー・ディトモは、この店で30年配達を続けている店員のブライアン・ウェルズ(46)と代わった。しかしブライアンは、午後1時47分に配達に出かけたまま二度と戻っては来なかった。午後2時20分、街にある銀行にそのブライアンが入ってきた。ブライアンは窓口の女性に手紙を渡し、中身を読むように命令。そして杖を改造したライフルを突きつけ、25万ドルを渡すよう要求した。窓口係の行員は、銀行内で使われる暗号『オードリー』で銀行強盗であることを行員に告げた後、8000ドルをブライアンに渡した。2時28分、銀行から逃亡したブライアンはなぜかハンバーガーショップに立ち寄り、花壇の中を探り再び逃走。しかし通報を受けた警察が2時32分、ブライアンを包囲。彼は逮捕されたが、警察官に首にかけてある爆弾を外す様に頼んだ。彼の首には時限装置が巻きつけられており、警察は爆弾処理班を呼んだ。このニュースはすぐにテレビで生中継された。3時18分、「ピザ屋の店長に連絡させてくれ」という言葉を最後に爆弾が爆発、ブライアンは爆死。処理班到着3分前だった。爆発の瞬間は全米に衝撃を与えた。

8月29日事件の捜査はFBI主導で行われ、指揮をとったのはジェラルド・クラーク捜査官。最大の手がかりはブライアンの持っていた犯行指示書とも言える9枚の紙。しかし犯人グループがどこでブライアンに接触したのか不明だった。ピザ屋の注文電話がかけられた公衆電話付近を中心に聞き込み、ブライアンの家も調べられたが証拠品は全く見つからなかった。ブライアンの身辺調査も行われたが結果はシロ、捜査は行き詰った。9月20日イリー郡警察から連絡があり、郡警察はウィリアム・ローススティーンという男性から通報を受け、冷蔵庫に入れられていた死体を発見した。8月13日ウィリアムの知り合いの女性マージョリー・アームストロングが浮気をした恋人のジェームズ・ローデンを射殺、ウィリアムに死体を処理するよう頼まれていた。しかし恐怖を感じたウィリアムは警察に通報、ウィリアムは死体遺棄の容疑で、マージョリーは殺害容疑で逮捕。FBIは、ピザの届け先の近くに住み、爆弾を作る技術を持っている人間を捜索、そこで浮上してきたのがウィリアムだった。FBI行動分析ユニットBAUでプロファイリングが行われ、組織化されたグループでの犯行で、合致する人物として爆弾を作成したのがウィリアム、マージョリーもプロファイリングに合致。徹底的な調査が行われた結果、ウィリアムは自宅に作業場を持っていることが判明した。

マージョリーは2度の結婚で夫が不審死を遂げており、1984年には当時のボーイフレンドをピストルで射殺。マージョリーは正当防衛が認められ無罪の過去がある女だった。しかしエリー郡刑務所に収容されたマージョリーとウィリアムに対して取調べが行われたが、自白を得ることは出来なかった。2004年7月ウィリアムが急性白血病で死亡。2005年7月マージョリーが捜査の指揮を執るジェラルド・クラーク捜査官を呼び出した。弁護士を伴っていた彼女は別の刑務所に移すことを条件に事件の有力情報を提供するという。2003年8月マージョリーは銀行強盗のためにウィリアムに爆弾作らせ、その銀行強盗の計画をしゃべろうとしたローデンを殺害したと自供。しかし弁護士が精神鑑定の必要を訴えたため、起訴には持ち込めず捜査は再び暗礁に乗り上げた。

ところが事件から3年半が経過した今年初め、ある女性が浮かび上がってきた。ブライアンが常連客だったという売春婦で、二人はよくケネス・バーンズという男の家に行き、そこでマージョリーに会った。ブライアンとマージョリーが繋がり、FBIはケネスを取り調べ、ケネスは司法取引で自分の刑を軽くすることを条件に宣誓供述した。彼によると、主犯格はマージョリーで、ウィリアム、ケネスそしてブライアンも仲間だった。ブライアンは偽物だと騙されピザの配達の途中でウィリアムの家に行き爆弾を巻かれ銀行に向かった。しかし焦ったブライアンがわずかな金しか奪えなかったため、マージョリー達は現場から逃走。計画は失敗したが、ブライアンはこの世から消え去るため、自分たちに捜査の手が届くことはないはずだった。マージョリーは今年7月に起訴されたが、精神鑑定を受け、いまだ無罪を主張しているという。
pc
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