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 天使がいた場所
© 大坂蘭 
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 R指定:無し
 キーワード:天使
 あらすじ:ある日ロゼアは天使に出会って……。
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走りのばらがほころび始めた日の午後、ロゼアは砂場で、天使に会った。

天使の青い目は、サファイアのように輝いていた。

ぽかんと口を開けて見とれるロゼアに、天使は話しかけた。

「一緒に遊ぼう」

「うん」

夕暮れまで砂山を作って遊ぶと、天使は手を振って言った。

「またね」

ロゼアは走って家路に着いた。裏口の木戸をくぐって、家に走り込む。

「ママぁ、わたし、天使と遊んだの」

母親は、あつあつのスコーンを、かごに盛りながら答えた。

「はい、はい。天使ね」

「ほんとだもん。すごくきれいな天使なんだから」

次の日、ロゼアは砂場で、天使を待っていた。

また来るかしら……。

ふわりとほのかな藤の香りがして、天使はあらわれた。

サファイアの瞳には、深い慈しみの光が宿っている。

「また会えたね」

優しく微笑む天使に、ロゼアは再び見とれるのだった。

天使とロゼアは、お腹が痛くなるまで笑い、仲良く遊んだ。

夕方の鐘がなった時、背の高い黒人男性が、天使に近づいた。

抱き寄せてささやく。

「ジブリエール、何をしてたの」

「ミシェル」

天使はうふふ、と笑った。



END







2012/06/11
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