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[ 1 ] ◆ 木工の町クントカカ・クントカカ分署前の表通り
** PC名:***** **

インペリアル・ライトブリンガーのクントカカ分署、その正面にある表通り。

※木工の町クントカカ
帝都からユロイシェン街道を10km程進んだところにある町。人口およそ12万。
すぐ近くにある森から切り出した樹木を用いての木工が盛んな町であり、ここで作られる大小様々な家具や調度品は見た目こそ地味であるがとても頑丈で使いやすいと好評。
帝都に店を構える商人達が商品を仕入れに来る姿がよく見られる他、市場では販売されていないような品を特注するためにやって来る人達の姿も時々見られる。

** 投稿日時:2024.03.19 12:50 ** [ 編集 ]
[ 2 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(──皇帝陛下が冬の離宮での休暇を終えて暫く経った三月の中旬、時期的にはまだ尚早であるだろうが次の休暇に向けて少しずつでも準備を始めておこうと考えて、帝都から皇帝陛下が次に滞在する春の離宮までの街道部分を管区の一部に含んでいる、インペリアル・ライトブリンガーのクントカカ分署を訪ねたのが九時丁度。それから途中休憩を挟みつつおよそ五時間を掛けて、皇帝陛下が春の離宮に向かう最中の街道警備計画についての素案を纏め終え)

「──では、そのように。ああ、見送りはここまでで大丈夫ですよ。お気遣いくださり、ありがとうございます」

(その後、今後の予定について話をしながら署内を共に歩き、正面玄関から表通りに出たこちらに尚も付き添って見送ろうとしてくるクントカカ分署の署長と副署長からの厚意を、労いと感謝の言葉を伝えながら辞退する。そして、最敬礼を行う両名にこちらもお辞儀を返してから正面玄関の扉を閉めると、多くの通行人で賑わう表通りに一歩二歩と踏み出しながら、ふう、と一息つき)

>入室

** 投稿日時:2024.03.19 12:51 ** [ 編集 ]
[ 3 ] ◆
** PC名:クロエ・ヅヴェルネーレマン **

(よく晴れた春の陽射しが心地よく、鮮やかな花々がストリートを彩る麗かな昼下がり。シンプルなグリーンのシフォンワンピースとトレンチコートが小気味良いヒールの音鳴りと共に軽やかに揺れる。下ろした金髪さえ容易く攫っていく春風にバケットハットが飛ばされないように時折つばへ手を添えながら。そうしている内にクントカカ分署前へと差し掛かると、本日の目的地である以前から贔屓にしていた家具職人の店まであと少し。だが、一層強く吹き上げた風によって案の定ハットが攫われてしまい、偶然にも対面側を歩いていた相手の方へと飛んでいくだろう。仮に相手が受け止めることが出来たなら、華やかなアイリスの香りを纏いながら駆け寄る筈だ。親切な“憲兵”に気さくに話し掛け礼を述べるが、間も無く相手の軍服に燦然と輝く階級章と印象的なアイスブルーの瞳が目に入る。更に城塞都市にて将校を勤める自身のパトロン・ヅヴェルネーレマン伯爵と共に参列したパーティーにて見かけた顔に違いないと目を見開いて。まさかこのような小さな町で諸将を統治する最高位の人物に出会うとは夢にも思わなかったのだ。)

「──ナイスキャッチね。ありがとう軍人さ…、え…嘘。元帥、閣下?」

>入室

** 投稿日時:2024.03.22 15:13 ** [ 編集 ]
[ 4 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(道を行き交う通行人達の間をスルスルと抜けて、やがて人の流れが途切れたところで足を止めると帝都に戻るための移動手段として厩から馬を借りるか、それとも行きの時と同様に帝都とクントカカの間を往復している乗合馬車を利用するか考えようとする。と、その時いきなり強い風が表通りを吹き抜けたので思考を中断して髪を軽く押さえながら風が止むのを待っていると、風に乗ってこちらにふわりと飛んでくる何かが目に映り、それが何であるか確認するより早く反射的に受け止める。そして、風が止んで雑踏の賑わいが周囲で再開する中、今自分が手に持っているのが誰かの帽子であることを確認すると、恐らく今の風で飛ばされてしまったのであろうこの帽子の持ち主を探すべく視線を上げたと同時、菖蒲の花に似た香りと共に一人の女性がこちらに駆け寄ってきて御礼を言ってきたので、目的の人物がすぐ見つかったことに安堵しつつ微笑を浮かべ)

「ふふ、どういたしまして。遠くまで飛ばされなくてよかったです……、?
……あ、ああ。すみません、驚かせてしまったようですね。ただ、元帥だからといってそう身構えたりする必要はありませんよ? 私もまた、民に寄り添うべき軍人の一人であることに変わりありませんから、先程のように気軽に接してくださったほうが嬉しいです──クロエ様」

(こちらの姿を確認した相手が驚いたような表情で言葉を詰まらせる様子──帝都内では"元帥がごく自然に市井の生活に混じっている"という状況がすっかり浸透したためかあまり見かけなくなったが、帝都の外では今でもよく見かける反応である──を見て、首を緩く横に振りながら自分に対して身構えたりする必要は無いと述べる。そして相手の顔と纏う香りに記憶が刺激されたことで、以前ルーグで開催されたパーティー会場にて伯爵の爵位を持つ将校から自分が後援している歌手だと紹介してもらった女性のことを思い出し、手に持った帽子を差し出しながらその時に聞いた相手の名前を呼び)

** 投稿日時:2024.03.23 13:06 ** [ 編集 ]
[ 5 ] ◆
** PC名:クロエ・ヅヴェルネーレマン **

「──私の名前、どうして。」

(欲望渦巻く社交界において、後妻ではなく単なる妾に過ぎない自身に対する風当たりは決していいものではない。ましてや元娼婦という身分も相俟って、何処か侮蔑的な視線を受けるのは珍しくなかった。そんなおべっかと腹の探り合いの舞踏会で、何ら分け隔てなく自身に接した彼女のことはよく覚えていた。穏やかな第一印象からは思いも寄らない階級に当時も驚いたものだった。それから当主と二、三言他愛もない話を交わして彼女とは別れたのだが、まさかあの僅かな時間で自身の名を覚えたのだろうか。)

「えぇ、ありがとう。…なら、私も“ただの”クロエよ、元帥閣下。こんな所でお会い出来るだなんて思ってもなかったの。今日はお仕事で此方へ?」

(差し出されたバケットハットを両手で受け取ると、肩肘を張る必要はないと穏やかに話す彼女に戸惑いながら努めてフランクに礼を述べて。懇切丁寧な彼女の振る舞いに、自身もまたその必要はないと笑顔で応えるだろう。とは言え、やはり彼女程の人物に偶然見えたことに驚きが隠せないようだ。)

** 投稿日時:2024.03.24 11:48 ** [ 編集 ]
[ 6 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(差し出した帽子を受け取りながら応答する相手の口調や仕草は、意識してそうしているといった感がまだ少しあるものの気軽なものとなっており、そのこと自体はとても嬉しく感じるも、元帥閣下ではなく名前で呼んでもらえるともっと嬉しいのですが、なんてことをつい考えてしまう。しかし、まだ二度しか出会っていない──更に言えばまともに会話をするのはこれが初めての──相手にそこまで要求するのは図々しいというか厚かましいというか、とにかく失礼なことには違いないので自重して言葉にはしないでおく。そうして自重した思いの代わりに、笑みを深めることで抱いた嬉しさの感情を表現しながら、相手からの順当な推測に基づく質問に答えるべく口を開き)

「はい、お察しの通りです。こちらには皇帝陛下の次のご休暇に向けて準備……の、下準備をするために。時期的にはまだ早いのですが、それでも今出来る範囲のことは先にしておこう、と思いまして。
……ところで、クロエ様はどのようなご用件でこちらに? ここの家具や調度品は帝国内でも有名ですし、まだ見ぬ良品や既に愛用しているお気に入りの品を買いに来られた、とか……そうだ、お気に入りといえばこの通り沿いにある家具屋に、私がとても気に入っている小さな熊の木彫り像が販売されているのですが、クロエ様はご存知でしょうか? 色々なポーズのバリエーションがありまして、どれも非常に可愛いらしいんですよ! もしクロエ様がまだご存知なければ、是非一度ご覧に──と、す、すみません! 一人で勝手に盛り上がってしまって……!」

(自分がここを訪れた目的を説明するのに合わせて、最初にここからだと当然見えないのだが春の離宮がある方角へ、次にすぐそこにあるクントカカ分署のほうへと顔を向ける。そして説明を終えるタイミングで相手のほうへ顔の向きを戻すと、今度はこちらから同じ質問を無難な推測込みで返し……たところまでは問題無かったのだが、続けてここから近くにある家具屋で売られている──家具屋なので当然メインの商品は家具だが、その店では他に置物系の商品も幾つか扱っている──、両手に乗るくらいのサイズで作られた熊の木彫り像シリーズについて一方的に熱く語るという失敗をやらかしてしまう。その後、すぐにハッと我に返り慌てて話を切り上げたので傷(やらかし)は浅く済んだと言えなくもないのだが、それでも羞恥に頬が赤くなるのは抑えられず恥じ入るように謝罪し)

** 投稿日時:2024.03.25 12:56 ** [ 編集 ]
[ 7 ] ◆
** PC名:クロエ・ヅヴェルネーレマン **

彼女にとっては些細な出会いの一つだったかもしれないが、曖昧な自身の存在すら受け入れられているような気がして、じんわりと心が温まっていくようだった。
皇帝陛下という自身からすれば雲の上の存在が話題に上がるなら感嘆の声を漏らしつつ。仮にクントカカで静養するなら、やはり工芸品作りに勤しむのだろうかと呑気な事を考えていると丁度その話題へと移ったようだ。正に彼女の推察通りだと口を開くが、透かさずさし込まれた熱弁に思わず目を丸くする。その様子はさながら妙齢の少女そのもので、我に帰って赤面する表情を垣間見ると見当違いも甚だしい庇護欲すら掻き立てられて。微笑ましい様子を前に我慢し切れず笑みを零すと、(きっと彼女は咎めないだろうが)無礼への謝罪を述べつつ。)

「んふふ、ごめんなさい。あんまり夢中になられていたから、つい…。私で良ければ是非ともご一緒させてくださいな。」

(恐らく彼女が指す家具屋とは、偶然にも自身が本日目的地としていた店だろう。職人の趣味が高じ商品として売り出したという“木彫の熊”について以前本人から聞いたことがあったからだ。もっとも、当時は大して興味を唆られずほんの少し眺めただけに過ぎなかった。が、こうも彼女に熱弁されてしまえば、興味を惹かれない訳がなく。もっとも、素のままの彼女をもっと拝んでみたいという好奇心や下心の方が優っていたのかもしれないが。是非にと同行を申し出てると彼女の後に続き、さも偶然を装ってその店を目指す筈だ。)


** 投稿日時:2024.03.26 22:17 ** [ 編集 ]
[ 8 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(こちらの失態に呆れや怒りではなく笑みを零す相手の反応に、どうやら気分は害していないようだという安心感とみっともない姿を見せてしまったという羞恥心の板挟みに陥りながら、告げられる謝罪の言葉に対してそちらが謝る必要は無いのだと示すように慌ててパタパタと両手を振る。そして片手を胸元に当てながら深めに息を吐いて心を落ち着かせると頬にまだ残(かんじ)る微熱は努めて意識しないようにしつつ、相手からの同行の申し出にパッと破顔して)

「はい、喜んで! それでは早速参りましょう! 目的の家具屋はこの道をあちらに進んですぐのところにありますから。
……実は今日、クントカカ分署を訪ねた際に偶然、職員の方が件の家具屋についてお話しているのが耳に入ったのですが、何でも熊の木彫り像シリーズの新作がつい最近販売を開始したらしくて、私、それを聞いてからずっと気になっていて……あ、だからといってお仕事に集中出来なかったとか、お仕事を蔑ろにしたというようなことはありませんよ?」

(これから向かう先を手で指し示してから移動を開始して再び人の流れの中に身を投じれば、時折相手のほうへ軽く身を寄せたり身振り手振りで視線(と、それに伴う足の向き)を誘導したりしながら、自分達が通行人の誰にもぶつかったり遮られたりしないルートを選択して進んでいく。そんな移動の最中、雑談としてクントカカ分署の署内で仕入れた情報について──後半部分は明らかに冗談であると分かる表情と口調で──語っていると、不意に自身が持つ加護の一種である清浄の加護が働いたのを感じ取る。それは相手の能力による特殊な香りに対しての反応であり、そのお陰で今のところは件の香りが本来こちらに齎す筈の影響を受けていないのだが、それ故に能力(かおり)についての知識が無いこちらとしては何故急に清浄の加護が働いたのか全く分からず、不思議そうに首を傾げ)

** 投稿日時:2024.03.27 12:46 ** [ 編集 ]
[ 9 ] ◆
** PC名:クロエ・ヅヴェルネーレマン **

「えぇ、とても楽しみ。」

(此方の反応を窺うような表情に、未だ羞恥に駆られた余韻の残る表情。更に自身の申し出に心華やぐような笑顔が躍るならその豊かな感情の変化を具に眺めているだろう。公務に多忙を極めるであろう彼女にとって、気に入りの店を訪ねることが束の間の息抜きなのだろうかと。目当ての熊について時に冗談を交えながら熱弁を振るう様子を、一歩下がった所から続きつつ和かに相槌を打って。雑踏に揉まれながらも一度もぶつからなかったのは彼女の配慮のお陰に違いない。そして不意に彼女が小首を傾げた様子を捉えるが、自身の固有能力である幻惑が作用しているなど思いもよらず、同じように不思議そうに見つめ。だが、そうこうしている内に“馴染み”の店の前へと至ると、既にショーウィンドウには木彫の熊達が彼女を出迎えるように飾られており。)

「─どうぞ、閣下。」

(きっと夢中になって覗き込んでいるであろう彼女に先んじてドアを開いて待っていた筈だ。当然彼女を知る店主は驚いたように言葉を詰まらせていたが、後に続いて入店した贔屓の客である自身に気がつくと怪訝な表情を。すかさず人差し指を唇に添え彼に向かって目配せをするなら、何やら訳ありらしいと察したらしく早々に奥に引っ込んでしまうだろう。もしかしたら同伴かと勘違いされたかもしれない。)


** 投稿日時:2024.03.28 21:47 ** [ 編集 ]
[ 10 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(不思議そうに首を傾げるこちらを不思議そうに見つめる相手、という害の無いすれ違いは目的地である家具屋がもう目前であったために数秒足らずで終わりを告げる。傾げていた首の角度を元に戻して扉を開こうと一歩踏み出しながら手を伸ばし──かけたところで、ショーウィンドウに家具や調度品と共に飾られている熊の木彫り像が目に入り、思わず動きを止めてしまう。そして既に購入済みで見知っている、愛らしいデザインにデフォルメされた熊がちょこんと座って同じくデフォルメされた鮭を咥えている木彫り像と身体を丸めて眠っている木彫り像の間にある、今まで見たことのない立ち上がって木の枝に実る果実へ前足を一生懸命伸ばしている木彫り像を感動に輝く瞳で見つめていると、扉が開いたことを告げるベルの音に重なって聞こえてきた入店を促す相手の声に肩を震わせ)

「──……、!? は、はいっ!? な、何か……あっ、や、すす、すみませんっ! 失礼しますっ!
……あ、店主様。こん──え? …………、あの、クロエ様。もしかして私、店主様に何か失礼な態度を取ってしまっていたのでしょうか……?」

(視線を勢いよく引き剥がすように振り向いて扉を開いたままの姿勢でこちらを待つ相手の姿を視界に捉えれば、慌ててペコリとお辞儀をしてから足早に入店する。そして圧迫感が生じぬよう計算された配置で陳列されている商品群を通り抜けた先にあるカウンターへと視線を向けて、そこに居た店主に挨拶しようと口を開きかける。が、一瞬だけ怪訝そうに眉を顰めた表情を見せたかと思うと、こちらが何かを言うより早く店の奥へと引っ込んでしまった店主の反応に、僅かに遅れて入店してきた相手のほうへと振り向きながら、彼女と店主との間にあった今し方の遣り取りに気付くことなく不安げに眉尻を下げつつ問いかけて)

** 投稿日時:2024.03.29 12:04 ** [ 編集 ]
[ 11 ] ◆
** PC名:クロエ・ヅヴェルネーレマン **

(予想通り夢中になってショーウィンドウを眺めていた反応に微笑ましげな笑みを含みながら、自身を待たすまいと急ぎ足で入店する様子を見守った筈だ。彼女にしてみれば、早々に奥に引っ込んだ店主が一見ただの無愛想な印象となってしまっただろう。大半の人間なら憤慨してもおかしくない状況だったが、彼女の場合は違ったらしい。不安げな表情で自らの行いに非が無かったかどうか尋ねられると、職人気質という体の良い言葉でフォローすると気を取り直すようにショーウィンドウの裏側とその傍に陳列された木彫の熊の棚を指し示し。店主には後日事情を説明しなければと内心で謝罪しつつ。)

「まさか。職人さんですもの、きっと忙しかったんだわ。ねぇ、それより閣下。可愛らしいクマを是非紹介してくださいな。」

(無事に彼女の気を其方へ向けることが出来たなら、背後からさり気無く背に手を添えてブースまで連れ立って進もうとして。自然に、かつ無意識に相手のパーソナルスペースに潜り込むのは、これまで培ってきた自身の手練手管の一つだった。)


** 投稿日時:2024.03.30 17:31 ** [ 編集 ]
[ 12 ] ◆
** PC名:ラーラシェリーツァ・エセルハリス **

(失礼な態度を取ってしまったのだろうかという不安をそんなことはないと否定してもらえれば、ほっと安堵の吐息を一つ。そうして不安に曇っていた表情をフラットなものに戻すと、こちらに身を寄せて背中に手を添えながら熊の木彫り像が陳列されているブースへ行こうと促してくる相手に同意の頷きを返す。そして、彼女独自の立ち居振る舞いについてはこちらもまた極自然に、意識するまでもない当然のものであるかのように受け入れながら店内を移動し、やがて……という程の距離ではないが目的地に到着すると、キラキラという擬音が聞こえてきそうな笑顔ですぐ傍に立つ相手のほうへこちらからも更に身を寄せて、女性らしい曲線を描いている彼女の右肩に左手を置き)

「こほん──それでは不肖ながら私(わたくし)、ラーラシェリーツァ・エセルハリスがクロエ様にこの子達を紹介させていただきますね。
まずはショーウィンドウに飾られている子達について……鮭を咥えている子はシリーズの中で一番最初に作られた物で、今でも根強い人気を誇るロングセラーの逸品となっております。そして居眠りをしている子は──」

(大仰な言い方で話を始めると空いたほうの手でショーウィンドウにあった鮭、居眠り、立ち上がりの熊達を順番に指し示しながら簡潔に解説していく。本当はそれぞれの熊達に対して抱いている愛情、もといセールスポイントについて一つ一つじっくりと熱弁を振るいたいところであったが、そんなことをしていれば時間が幾らあっても足りないし、仮に時間の問題に目を瞑ったとしても相手にウンザリされるだけ……ならまだマシで、普通に考えるならドン引きされるだけであろうと、自制心(ブレーキ)をしっかりとベタ踏みしておく。とはいえ、好きな物について語るという行為にテンションが多少上がってしまうのは避けられず、まるで長い付き合いの友人同士であるかのようなスキンシップを無自覚に行ってしまっているのだが、そんなこちらの様子に相手がどのような思いを抱くのか──微笑ましく思ってもらえるのか、それとも鬱陶しいと思われてしまうのか……或いは、彼女の能力である【幻惑の香】の影響下に陥ったと勘違いされてしまうのか、果たして)

** 投稿日時:2024.03.31 12:11 ** [ 編集 ]

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