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1紅音也×紅真夜 真夜の夜 仮面ライダー
01-19 23:12
仮面ライダー
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11 仮面ライダー
01-19 23:28
鈍い鉛色の空が広がる。まだ太陽が落ちるには時間があるはずなのにモノクロームの景色が町中から続いていた。漆黒のマントが町外れの洋館の前で静かに揺れた。真夜は小さな革袋からマントと同色のガラス片を一つ取り出した。そのままガラスにふぅっと息を吹き掛けると声をかける。

真夜:お仕事頼んだわよ

そのまま漆黒のガラスの欠片を無造作に地面に落とした。破片は割れる事無くまるで水に落ちたかのように土の中に沈んでゆく。それを確認すると僅かに口角を上げて洋館の重い扉を押し開いた。真夜の足は屋敷に一歩踏み入れたところで動きを止めてしまった。突き刺すような視線を感じたからだ。相手は判りきっている。あの女だ。

女:ノックくらいして下さい

あの女が敵意を込めて声を吐く。しかし真夜は悠然と微笑み止めた歩みをまた始めた。

真夜:ごめんなさい私が来る時はいつも鍵を開けてくれているから入ってしまったの

音がするかというくらい女は睨み返してきた。きつく口元を結んでいる。薄暗い洋館の玄関では二人の女の間から詰めた空気が広がっていった。真夜はもう一度微笑みを作り、ごめんなさいねと首を傾けた。但し目線では鋭く女を刺してやる。女がうつむいた。真夜はその表情に一瞥するとまた歩きだした。美しく微笑みを浮かべたままで。女は扉を激しく開けて外へ出ると乱暴に締め切った。古材のぶつかる衝撃が玄関ホールに響きこだまする。耳障りな音だと真夜は思ったが、顔にも口にもださず真っ直ぐに獲物のいる部屋へ足を向けた。
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10 仮面ライダー
01-19 23:27
音也:真夜…百合が何かしたのか

愛しい獲物が先ほどの扉の音に少々戸惑ったように真夜に尋ねた。

真夜:何でもないわ音也私がノックを忘れただけよ失礼だったかしら

音也はそうかと呟き窓の外を気にして覗き込もうとした。

真夜:ねえ音也早くバイオリンを弾いて少し手を加えたのでしょう

バイオリンという単語に音也ははっとして真夜へ振り向いた。

音也:ああそうだ真夜に言われた通り調整し直したんだ見てくれ

音也はバイオリンをそうっと真夜に手渡した。真夜は静かに受け取るとバイオリンの弦の張り方、木材同士の合わせ具合を確認し音也の手に戻してやる。

真夜:良さそうね弾いてバッハのパルティータがいいわ

音也:曲をリクエストするなんて珍しいなパルティータ全部は長すぎるぞ何番の曲がいい

真夜は音也の側に置かれた椅子に音をたてずに座ると静かに答えた。

真夜:パルティータからならなんでもいいわ

バッハのパルティータとは味な曲集を指定してきたものだ。名曲ばかりだが未熟者に弾けるものは一つもない。それは音也には勿論愚問だ。音也はよしと自信ありげに頷くとバイオリンを構えた。目を瞑り頭の中で響く音を指先で再現し始めた。甘く哀愁を帯びた弦楽器独特の音色が工房に響く。長く、短く、早く、遅く、音也の指先は優雅に動いた。その度に次々と紡ぎだされる音色達はしなやかに工房に満ちていく。真夜は身動ぎ一つせず目を瞑りその旋律を感じていた。強く鮮やかな旋律は部屋の隅から真夜自身にも染み渡るようだ。音也の指が最後の小節を奏でる。弦の擦れる淡い音色が余韻を残して弾けた。
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9 仮面ライダー
01-19 23:25
真夜:パルティータ『二番のシャコンヌ』ねその音色と演奏ならバッハも嫉妬するわ

真夜は満足気な笑みを音也に向けた。

音也:そうかやはり真夜の指摘は鋭いなあんな細かい事に気付くなんて

真夜:あなたの感性が為せるものよこんなに美しい『二番のシャコンヌ』を聞いたのは久しぶりだわ

真夜の音楽に関する言葉には偽りも世辞もない。彼女はいつだって的確な指摘をする。足りないもの、歪んだものに対しては容赦ないが満ちているもの、芸術として認められるものには素直に賞賛をする。だから音也は真夜の言葉に正直に喜んだ。

真夜:ねえ音也どうしてパルティータから『二番のシャコンヌ』を選んだの一番でも三番でもなくソナタでもなく

音也:それは俺がパルティータの中で最も美しい曲だと思ったからだ

「最も」の部分にアクセントをおいた音也らしい口振りだ。実際音也は「バッハのパルティータ」と真夜の口から出たときにどの曲より先に『二番のシャコンヌ』を頭で奏でていた。バイオリンの音色を知り尽くして作られた名曲だと思っている。

真夜:奇遇ね私も『二番のシャコンヌ』が最も美しいって思っていたの

音也の顔がほころび弛んだ。真夜と同じ事を考えていたのが嬉しいのだろう。これだから人間は面白いと真夜は思った。

真夜:音也バッハのパルティータの事どれくらい知ってる

真夜は立ち上がって音也の手からバイオリンをすっと自分の手に移す。それがあまりに自然な動きに感じて音也は無抵抗にバイオリンを渡した。真夜は音也の返事を待たずに物語を紡ぎだした。

真夜:バッハには妻がいて…

バイオリンの本体を優しく机に置く。

真夜:愛していたのに突然亡くしたの…
そこへ弓を添えてやる。

真夜:その後バッハは…

一歩音也に詰め寄る。

真夜:新しい妻を迎えて…

音也の首に手を回す。

真夜:新しい妻との喜びを…

顔をゆっくり近付ける。

真夜:この楽曲達に込めたのよ…
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8 仮面ライダー
01-19 23:23
ピアスが揺れると同時に唇を静かに音也と重ねた。音也はその唇の誘いをそのまま迎え入れた。静かに始まった口づけはやがて求め合う者の音色に変わっていった。音也の腕は真夜の背中を抱きしめながらまさぐってきた。真夜はその反応に確信を持ち、より近づいて音也の首に回した手に力を込めた。薔薇の蜜のように甘い真夜の唇と舌。その妖艶な口元はじっくりと侵入してきた。音也の温かい口内を味わうように舐めとり粘膜を撫でる。音也はその甘美な刺激に情熱で応えてしまった。真夜の歯列をなぞる、舌を絡める、唇を噛む。絡み付く蜜のような唾液が二人を濡らしていく。鈍く落ちた空のために工房には光が入らない。陰鬱の影と淫らな唇達の音が漂った。ずいぶんと長くお互いの唇で愛撫を続けていた。ふぁっと暑い息を漏らして、音也が口元を放した。どちらのものともつかない唾液が滴り落ちる。真夜は笑っている。

真夜:ねえ音也…あなたはバッハの気持ちが解る

音也:…いや…

音也の顔に揺らぎが見えた。あの女の事を思い出したのだろう。真夜には予想内の表情だ。構わないわ、だってそうじゃなきゃ楽しくないじゃない。真夜は諭すような言い回しで罠を張る。

真夜:残念ね…解ったらもっと音楽が深くなるのに…

音也はゆらりと工房の壁にもたれ掛かった。強い眩暈を体が感じた。いやそれだけではない。大切な事を忘れそうだ。虚ろな脳細胞がゆっくり動きだした。今俺は何を考えているんだ。音楽のことかバッハの事かバイオリンの事かあぁ…百合の事か。その時ゾクッと背筋を黒い物が走り抜けた。百合は今いない。頭が霞む。まるで悪酔いした時のようだ。悪酔い…何に酔った

真夜:どうしたの音也具合でも悪いの

真夜がまた近づいてくる。その妖しげな瞳と唇に目を奪われて立ち眩みがした。自分が女に酔うはずがないと音也は己に確認を始めた。女は好きだ。でも今は百合が俺の女だ。あいつは運命の女だ。百合は怒りっぽくて不器用で、それでも俺のために一生懸命で必死だ。どんな女より俺を愛していて俺もどんな女より百合を愛している。他に必要な女がいる訳がない。真夜が白い指先で音也の頬をなぞった。吐息が耳にかかるように柔らかく囁いてやる。
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7 仮面ライダー
01-19 23:22
真夜:ねえ音也…もうバイオリンは終わり続きはないの

その声に音也の背中がまた疼いた。この言葉にこの香りが目眩の元だ。逃げないといけないような気がしている。しかしバイオリンはどうするんだ。今この声から離れたら二度とバイオリンは完成しないだろう。自分に大きな迷いが生まれているのが音也には分かった。生涯迷い事などしたことがないはずなのに恐ろしいほど頭が揺れる。バイオリンと百合。俺はどちらを選ぶんだ。いやどちらなど選べない。両方とも必要なんだ。俺には2つとも必要なんだ。2つ何かが違う。甘い罠がまた囁く。

真夜:ねえ音也…バイオリンは私はもういらないの

そうだ、バイオリンには真夜が必要だ。2つじゃない、二人だ。その答えがでた時背中に微熱が立ち上がってくるのが音也には分かった。

音也:俺には…バイオリンが…真夜が必要だ…

落ちた。真夜の口元が魅惑的に歪む。

真夜:じゃあ弾いてちょうだい…きっとバッハの気持ちが解るわ…そして貴方は芸術に近付ける…

真夜はくすっと笑って音也の理性をすり抜けていく。音也の奥で誰かの涙が落ちた気がした。けれどもう誰にも止められないだろう。その証拠に音也の腕は真夜を求めた。腕の中に抱かれた真夜は空が闇の色を濃くして激しい雨を喚んでいるのを嬉しそうに見つめていた。
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6 仮面ライダー
01-19 23:20
ベッドの前にきた音也は真夜を抱き上げたまま降ろさずに立ちすくんだ。音也がかすれた声をだした。

音也:…百合…

その声を拾い真夜は音也の視線の先を読んだ。花だ。小さく可憐な野菊が一本だけ活けられてベッドサイドに置かれている。真夜は目を細めて音也の腕からすっと滑り降りた。野菊に黒い靴音が近寄る。

真夜:あの女は帰らないわ

真夜は野菊に手を掛けるとぱきんっと音を立ててへし折った。花びらが静かに床にこぼれる。

真夜:だって鍵をかけたもの…この家にはね…

真夜の足は落ちた野菊を踏みつけ細い指先は硬直した音也の顔に伸ばされた。

真夜:今日は貴方と私しか入れないの…

この屋敷に入る前に真夜が落とした黒いガラスには強い結界を張る力がある。自分が望むもの以外を跳ね退ける作用だ。獲物を手に入れる邪魔は誰にもさせないつもりだった彼女は久しぶりに古の術を使ったのだ。音也は未だに切なげに目を閉じている。真夜には音也の葛藤が透けて見えていた。目を閉じ拳を握り締めたまま凍りついた男の顔をまじまじと観察する。欲望に忠実で自分の事だけを考えるファンガイア達にはこんな顔をする者など居なかったのだ。せっかく落ちたと思ったのに。まだ足りないのかしらまさか…あの女のせいでやっぱり面白いわと真夜の好奇心が跳ねた。しかし同時に今まで味わったことのない焦燥感がじわりと広がった。輝く闇と謳われ自分が支配できないものなどないと考えてきた真夜にとってそれは敗北感にも等しい感覚だった。どこまでも邪魔をするあの女。私の獲物に入り込んだあの女。あの女から私は全てを奪うわ。必ず奪う。真夜は思わず爪先立ってもう一度目を閉じたままの音也にキスをしていた。その唇は切なく悲しい声を押し殺していた。ねえ音也。私の所へ来て頂戴。私は貴方の芸術を導ける。あの女には出来ないわ。あなたに必要なのはあの女じゃないわ、私よ。私なのよ。真夜が唇を離すと音也は静かに目を開いた。その表情は迷いも陶酔の色も無く、代わりに穏やかさをたたえていた。深い闇色の瞳だ、真夜はそう思った。

音也:真夜…もう一度今のキスを…

まるで音楽教師が教え子に指導するような声だ。返事の代わりに真夜は音也に抱きついて唇を寄せる。その唇を静かに音也が愛でた。
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5 仮面ライダー
01-19 23:19
真夜:ごめんなさいこの服少し面倒な作りなの

真夜は笑って黒い装束を外し始めた。音也はその間も絶え間なく髪に指を絡め肩をなぞり頬に目蓋に額に口づける。それは真夜へ白い肌を全て晒すように促しているようだった。ビスクドール、いや、リヤドロの人形か。右耳のピアスだけを残して全てを脱ぎ捨てた彼女の裸体は幻想的とも言える。磁器より白くなめらかな肌は淡く光沢を持つようだ。その身体にかかる黒髪はシルクの糸のようにサラサラと流れ落ちる。芸術品だ。音也はベッドに座った真夜に感嘆した。自分も同様に何もつけていない姿ではあるが真夜は人間などはるかに超えた作品のように見えた。

真夜:音也…どうしたの

あまりに美麗なその姿に音也は立ったまま見とれていた。真夜の声で我に返る。

音也:真夜が綺麗だから眺めていた

音也は素直に彼女に感想を述べた。そうかしらと真夜は首をかしげた。また髪が揺れて黒と白のコントラストが浮かび上がる。音也は真夜の足下に跪いた。姫君に呼ばれた音楽家の気分だった。どうやってこの高貴な我が君を喜ばせようか。手元にバイオリンが無いことが悔やまれる。思い立って音也は闇の中の真珠のように輝く足にそのまま口付けた。足の甲、くるぶし、足首、脹ら脛。唇も舌も指もなめらかに滑っていく。その感触は今まで触ったどの女の肌よりも素晴らしいものだった。ゆっくりと、長くすらりとした足をそのまま辿っていく。膝、太もも、足の付け根。冷たく気高い肌は音也が印を付けたところから淡い熱を帯びていった。その音也の様子を真夜は見下ろしていた。音也が私を昇ってくる。なんという恍惚感あふれる光景だろう。腕を音也の髪に、首筋に伸ばしてそうっと撫でる。温かい。人間はみんなこんなに温かいのだろうか。それとも音也が温かいのだろうか。他の人間に深く触れられた事がない真夜には分からなかった。
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4 仮面ライダー
01-19 23:17
真夜:あぁ…ん…

音也の指と唇がいつの間にか真夜の中心に触れていた。熱い吐息が体の芯にかかる。指は付け根から奥へ続く線をそのまま辿っていた。

真夜:はあっ…ん…ああっあっ…

感じたことのない刺激に真夜の背がそり、音也の頭を押さえた。彼はそれでも止めない。舌が止めどなく濡れる中心へ入り込む。指は花弁の形にそって柔らかくなぞる。

真夜:あぅ…ん…ああ…あ…

真夜の咽から甘い歌声が聞こえた。それが極上のアリアのように響き音也の心を掻き立てる。もっと歌って欲しくて敏感なとろこを舌で探り当てた。

真夜:ひぁぁっ…はうっん…

唇で硬く尖った小さな蕾を甘噛みした。思ったとおり真夜はビクンッと身体を震わせて大きく鳴いた。そのまま指は溢れる泉へ沈み込ませる。

真夜:んあっ…あっあぁ…は…あ…あ……ああっあっ…

濡れた水音が声と共に溢れてくる。真夜の声は音也が指を泉へ出し入れし、舌ですすり、硬くなった突起を口でを転がすたびに音色が変わる。真夜は自分の指と唇で思い通りに歌ってくれる。それも最上の艶のある声で。なんと甘美な歌い手なのだろうか。俺のためにもっと歌い鳴いてくれ。音也は熱愛を与え続け彼女を奏でた。

真夜:ああっ…ん…んん…あっはっあっああっ…

真夜は強い快楽を初めて味わっていた。男と交わったのは初めてではない。だがこんなにも優しく強く身体を弄ぶばれたのは初めてだ。自分に起こっている霞むような感覚に戸惑っていた。呼吸が乱れる。聞いたことがないほど心臓が大きく動いていた。今自分の身に起きている熱い痺れはなんだろうか。冷静でなどいられない、声が、体が、上っていく。身体の芯が震え何かが押し寄せてくる。強い旋律だ。

真夜:音…也…あっあっ…やぁぁああああぁっ

真夜の声が一層甲高く弾け、その反動に胸が上下した。

音也:真夜…
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3 仮面ライダー
01-19 23:16
真夜:ねえ音也

音也:何だ

真夜:私の印を付けさせて…

そういうと真夜は音也の首筋に唇をあて強く吸った。真紅の薔薇の花びらが付いたように鮮やかな痕が残る。真夜はそれを何度も繰り返し、肩に、鎖骨に、胸に花びらを描いていく。

真夜:綺麗ね…

一度だけ顔をあげて呟くとまた唇を音也の肌に押し当てた。腰に、下腹に少しずつ吸うことから甘噛みへ変えてまるで音也の身体を味わっているようだった。

音也:…ん…

しばらくその様子を眺めていた音也が小さく呻いた。真夜の唇が音也の熱く硬くなった彼自身を包み込んだのが分かった。銀色の爪で彩られた白磁の細い指も絡みついている。柔らかくゆっくりと撫で上げられ頭頂部を舌が這い回る。彼女の唇から滴る唾液がぬらりとまとわりつき余計に音也を刺激した。真夜は黒髪を揺らしながら何度も舐め上げ、吸い付き、指を絡めている。その妖艶な姿と狂おしい刺激に音也の鼓動と呼吸は速くなる。

音也:真夜…待ってくれ…

思わず声をかけてしまった音也の顔は何かに抗っていた。それを見た真夜は動きを止めて音也に微笑んだ。

真夜:そうね…じゃあこうするわ…

真夜の淡い身体がゆっくりと起こされて音也の上に降り立つ。そのまま音也の硬くなった部分を細い指で掴むと自分の秘所へ導いた。熱くなった刀身は真夜の泉へ差し込まれる。それを中心にして音也の上に真夜の腰が降ろされた。別の柔らかい快楽に一瞬意識が遠のきそうになるのを音也はなんとか堪えた。自分の上にいるのは淡雪の肌でできた芸術品だ。それが自分と繋がって自分を包み込んでいる。歓喜すべき光景と感覚だなと音也は笑った。音也の上で真夜が動きだした。初めはゆっくり腰を上げてはまた下ろし、身体に突き刺さる熱の快楽を楽しんでいた。それがだんだんと早く細やかになっていく。形のよい乳房が揺れ髪が乱れ踊る。

真夜:ふっ……あん…ああ…あ…

甘美な歌を彼女はまた紡ぐ。真夜が手を伸ばした。その優雅で華奢な指先へ音也は指を絡ませて繋ぎ止める。真夜の指は不思議と冷たい。熱を与えてもすぐ冷めていくのだ。冷めるのなら構わない、また温めるだけだ。音也の手が真夜の指先を強く握りしめた。二人の間に吐息と鼓動が響き合う。バイオリンの弦の共鳴のようだと音也は感じた。互いに一定の早さで身体が揺れる。このリズムは、ああそうだ、バッハのシャコンヌだ。
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2 仮面ライダー
01-19 23:13
真夜:ああっ…はあ…あぁ…あぁっあっ…音也ぁ…

真夜の鳴き声が小さな部屋に大きく響く。吐息混じりに求めるような視線を送られ音也はそれを受け止めた。彼女の腰を強く引きつけ下から貫くように身体を激しく押しつけた。

真夜:あああっ…あはっはあ…んあっ…あっああっ

情熱の舞曲に甲高い声が弾けた。それに合わせて音也の中でも張りつめた糸が切れたような感覚がやってくる。耐えきれなくて真夜の身体の中へ熱を流し込んだ。彼女は熱流を仰け反るしなやかな身体で全て飲み込んでいった。重い玄関の扉を開けると外は乳白色の幕が漂っていた。激しい雨は夜半過ぎに止んだらしく、新しい日射しを受ける準備に立ちこめる朝霧だ。真夜は静かに館の扉を閉めた。肩に落ちたフードをかぶり直すと爪先で玄関先の土をトントンとつつく。昨日埋めた黒いガラスが浮かび上がってきた。

真夜:ご苦労様

無表情に礼をのべるとガラスを踏みつけた。バリッと小さな悲鳴を上げて結界の主は壊れた。何事も無かったように真夜は歩きだした。軋む鉄製の門を開けた時視界の先におぼろげな人影が見えた。あの女だ。向こうも気づいているのだろう、また強い視線が向けられている。残念ね、もう全て遅いわ。真夜の中では獲物を手に入れた充実感とそれ以上の女としての優越感が沸き起こる。ふらっと影が動いた。真夜も歩みをまた始めた。お互いの影が一瞬交差した。真夜の口は妖しく弛む。しかし黒いフードの下ではあの女には見えないだろう。そしてこちらからもあの女の顔は見えなかった。それでも真夜には分かる。あの女は泣いていた。私の笑顔にも気付いてくれたかしらと心の中で笑った。靴音を続けながら真夜はまだ夢心地であろうバイオリニストにも心で囁く。音也、バッハのパルティータはね。新しい妻との想いの曲集だけど、二番のシャコンヌだけは特別なのよ。だからあんなに素晴らしい曲なの。あの曲だけは亡き前妻へのレクイエムだから。真夜の頭の中でバイオリンが鳴る。バッハ作、パルティータ二番シャコンヌ。この曲はあの女と堕ちた私達へのレクイエム…
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