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[1] 九月童話
By 紅魚
09-04 06:42

まずは、
背中の秋を追いかけて
レダの卵を採取しなくてはなりません。
(ゆめです。きづかれぬようにかくしてしまった、)

それは、此処からずっと北、
一つ長い橋を渡って弓なりに沿っていった先にありますから、
エノコログサのアンテナを
しっかりと立てておく。
(どじ、だからね、方向、見失わないように、だよ、)

左手はいつも海だから、
少し潮でべたつく風の道、
わざと押されるみたいに歩きます。
そのままぐらりと跳べれば好い。
長い髪がざわざわするので、
とたんとたんとステップ踏むあたしは、
きっと一心不乱のおばけみたいに見えます。

海面を跳ねるたくさんの白は、
海に棲む風兎です。
少年がいつか遠くの海で零した涙を呑んだ兎なので、
呼び寄せて、
一つ残らず抱きしめる、つもりで、
手を伸ばせば
凛、燐、と、
指先を呑まれる気配。
触れた先から青に還るその懐かしさに、
どうぞ?
と言われた気がして、
カラコロ瑪瑙の涙が一つ、
あ、あ、
零れた。
からり、からり。

あの体温が近付きます。
まちぼうけの半月がそこにはありますから、
呼び水みたいに、やさしい音の、空気の、波の、
それから夜の、
鼓動が鼓動が鼓動、が。
(可笑しいな。
ね、ぢつはrhythmでたらめ、でしょ、)

あすこに、
羽根雲の流れの先端辺りに、
石の鳥居です。
砂糖の焼ける匂いがする。
それから、
ぷ、ぺん、という、
チャンポンの音色と、おはじきのざらり。
喧騒は聞こえない振り。
白い幟の並ぶ、
ずっとずっと向こう側、
門の先、が、還る場所だと確認して、
小さく小さく手を振りました。
さよなら、
さよなら、
また、後で。

まずは、
卵、を採取しなくては、なりません。
(あれは、あれも、くがつのおはなし、だったよね)

秋の原に出ました。
此処は、プ****海岸というのでしょう。
だって、
あの鯨座の下、
ο星が降りて来た先の揺れる燐光の中、
露湛えた菊花を抱えて
君が、
ほろほろと泣いていますから。

何処からか流れてくるこの水は、
涙ではないようです。
淡水。
ああ、あ、あ、
これは君が零した菊の露ですね。

泣かないで。

ごめんなさいはもういいから。
なかないで、
なかないで、

真水の密度の中で、
あたしは不意に尾鰭を、
泳げることを思い出してしまう。
君に向かって走るみたいに泳ぎだしてしまう!!

(きみもあきにのまれそうだ、が、せいかい、ですね、そうでしょう?)
手を、
どうか手を、
伸ばした触れた指先から、
懐かしい青の気配。
あ、あ、
あれは君だった、
と。
(まって/またれて、い、た)

でたらめの鼓動の更にでたらめ。
半分の月差し出して、
ください、を言わなければならない。
レダの卵は君の中。
夢、でした。
気付かれぬように隠して、しまった。

心いっぱいの卵(と、きみ)、
月、満ちて、蜜。
始まった。始まった。
さやさやと、秋をこえる童話です。
まるい、まるい、まるい、
(たまご、つき、まりも、くじらのあたま、きんぎょのおなか、それから、)
繋いだ手、
鳥居の向こう、
還る夏の音
二人、
出会って林檎飴を食べに行く、
次は、
そういう
やさしいお話。


Mail
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[2] By XXXXXXXXX
09-06 14:27
光が光であるには、或いは影が影であるためには、影であってはならず、光であってはならない。

ヒトは誰しもこのことを幼い時分に悟り、自らの半身を夢の中へと隠して(決して消すことは出来ないので)しまいます。
これは全てのヒトが通る、個性化の過程。

しかし、だから、ヒトは自らの半身を探して生きる。
影を恐れ、影と戦い、影を押しのけて、夢の奥底に忘れてきてしまったヒトは、どんどん病に陥ってゆきます。
そのヒトの生はどんどん貧しいモノでしかなくなって仕舞う。

この詩は、かつて置いてきて(隠して)仕舞った半身を、夢の中から救い出し、再び手を繋ぐ話でしょうか。
少女にその旅をさせるのは、愛おしむ感情。この詩からは、少女の、少年(半身)に対する愛おしさが溢れてくるようです。
遂に出会う場面は、人類に普遍的といってもよい感動を呼びます。
満たされる。半月が、ひとつの円に還る。
それは誰しもが夢見る、世界最大の幸福。それが、ありありと伝わってくるのです。



この手のお話(詩ですが)は大体ここでめでたしめでたし、となり、幸せにいつまでも暮らしました、で世界が終わるものです。

しかしこれは、その後を予感させる締め括りになっています。それはこの幸福を永遠の中に封印して仕舞うのではなく、いつかは終わる、この現実の中に居続けようという決意(という程強いものではないにしろ)でしょうか。

W42H
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[3] By シン
09-06 14:33
月、満ちて、蜜。

は、ぐっと来た!
佳いね〜♪

この詩は、葬送と関係がありそうな内容だね?

W42H
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[4] By 沙緩
09-07 23:47
砂糖の焼ける匂い
ぷ、ぺん、という、チャンポンの音色
おはじきのざらり
喧騒

繋いだ手、
鳥居の向こう、


お祭り、
かな?


ずっとずっと向こう側、
門の先、が、還る場所だと確認して、
小さく小さく手を振りました。
さよなら、
さよなら、
また、後で。


すきです。
かなしいんだけど
うれしい、みたいな感覚、心臓がきゅぅってなるような。

ん、ちょっと違う、かも。わかんなくてごめんなさい。


でも、繋いだ手〜が一番好き
です。


乱文しつれいしました。
V804SH
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[5] By 紅魚
01-09 16:29

とてもとても、
あいたかったの。


810SH
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[6] By 枯葉
03-02 23:08
最愛の人が居る
そこに行かなきゃ何もかもがダメになる
最弱な僕にも出来る
この暗く冷たくじめついた天国を生き抜く事
だいたい毎日夢を見る
時が止まり世界機関も人類もその壊れた時計の一部になる
息遣いでさえ反響する
不思議な甘い痺れが体内を流れた時に愛し君と再会するんだ

無慈悲に脳に響くアラームに手を伸ばし 時間とメールを確認するまで 僕らは抱き合い何度も存在を確認する
あんまり会いた過ぎる気持ちが強すぎて 二度寝した事も幾度か そんな時は決まって君は現れないんだ

「会いたい…」

最愛の人が居る
そこに行かなきゃ何もかもがダメになる
最弱な僕にも出来る
君と生きる君に生きる君を生かす僕ら生きれる

遠距離は愛し合う二人にとって 障害にも利益にもならないし むしろ影響力は皆無さ
想うを知りゃ簡単な持論ではあるけれども アインもアレクも凌駕したかのような気分になれるのも 大切な恋愛哲学なのかもしれない

けど、
「会いたい…」

最愛の人が居る
居てくれれば
想いの相手は君なのだから
最弱な僕にも出来る
最弱な僕にも出来る
最弱な僕にも出来る
汚れた廃棄物に扮装しなきゃ生きられない此処で足踏みせず進む事が


―――――
置き詩ありがとうございましたm(__)m
お返詩に来ました。
W42CA
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