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[1] ヒポクラテス達のシューシュポスいいんだってば5号室
By んっ
10-13 04:11
と云う訳で新しい部屋作りました(・o・)ノ

何がいけないのか、チャレンジ数回、題名変更してます。
字数の問題かな?
自分じゃ大分短くしたんだけど(・ω・`*)

深い意味は…あるんかなf(^ω^;
聞かないでね、分からないから(\▽\)


SH002
[編集] 妹の部屋覗き
[462] By とおりながら30
08-12 20:02

辺りはとうに日が沈んで暗闇である。
出しなに提灯に明かりをもらい、彦八は急ぎ足でボロ屋へと向かう。
帰りを急ぐ用事はない。家人は彦八が泊まって来るものと思っているだろう。
彦八もそのように振る舞っていたし、そう思わせることが狙いであった。
提灯の明かり一つで山道を歩き詰め、深夜にはボロ屋の近くまでたどり着く。
昼間であれば桃太郎が捨てられていた桃の木が見えはじめ、その一段上にボロ屋に続く小道が見える位置になる。
ここからは彦八は気配を絶って物音さえ殺して歩んでいく。
虫も鳴かず風も動かぬ静かな夜。
彦八が庭先まで近付くと、灯の無いボロ屋は一見寝静まって見えた。
「や?」
ところが、縁側の障子が音もなく開くと人らしき人影が忍び出て、障子を慎重に閉じるとボロ屋の裏手の茂みにに入り込む。
「む!」
続いて土間の入口が開くと、また人影が忍び出て裏手へと向かう。
(どこへ向かうのじゃ?)
気づかれぬように彦八は人影達をつける。
ボロ屋を離れた人影は安心したのか、足音も枝葉を揺らす音も気にせずに進み、鍛練場から少し離れた切り立った斜面へと向かっていた。

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[463] By とおりながら31
08-29 22:52

随分昔に土砂崩れでこそぎ落とされた斜面の頂部には山林の切れ端が少し残って軒のように張り出し、底部は土砂に下草が生い茂って小さな広場になっている。その周囲は背の高い元からの林で、天然の軒の下に入れば外界から切り離されたような空間を作り出している。
枝葉に触れぬように気をつけながら彦八が様子を伺うと、今まさにボロ屋を抜け出した二人が腰を下ろし警戒を解いたところであった。
「たけ。長く間をあけてすまなかった」
「もう少し遅ければ私の抑えはきかなかったでしょう」
やはり、という予想はしていても、彦八の受けた衝撃は小さくはない。
「それで、どうなのです」
「うん……」
お竹の言葉は問い掛けではなく確認といった口調。そしてその問答はこれまでにも幾度かあったようで、桃太郎の言葉も返事ではなく答えあぐねているような相槌に聞こえた。
「はっきりなさいな。私はもうすぐ先行きが決まってしまうのですよ」
彦八は違和感を深める。
普段は従順で家事に勤しみ、親同然の老夫婦を労る物静かで働き者のお竹が、強硬な態度で桃太郎に接しているのだ。
「正直なところ、親父に鍛えられることは面白い。日に日に力が付き、何かを得ていつかのために積み重ねることは俺の目標や生き甲斐になりつつある。
だが……」
桃太郎は心中を確固たるものにするかのようにお竹を正面から見据える。
「お前を求める気持ちも変わってはいない。この世の何物よりもお前が欲しい」
しかしお竹の答えは彦八を驚かせた。
「その障害が私たちの親であっても、切り捨てて奪えますか」

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[464] By とおりながら32
09-02 20:20

「俺に力が付けば親父とて斬ってみせよう。だが母様を斬る理由はあるまい。また親父からまだまだ得なければならない物事がある。すぐには答えられないのだ」
この抗弁すら何度も繰り返されたように、桃太郎の口からすらすらと出た。
彦八は自らを貫いた驚き・怒り・悲しみ・嘲り・受容・疑問などを徐々に押さえ込みつつ、再び夜の一部となる。
「やるかやらないかではないのです。やらなければならなくなった時にできるかどうかなのです。つまり、私を奪われないために私を斬れるかということなのです。
桃。
私は気構えのない約束はしたくないのです。貴方に私を捧げ私たちが結ばれるためならば、私はどんな非道い女にもなれるのです。なんなら化けてでも貴方の傍に寄り添う覚悟なのですよ」

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[465] By とおりながら33
09-08 00:02

彦八は驚きがために目と口を開きっぱなしにして硬直した。
これまでに見てきたお竹の振る舞いから、先刻のような意志の硬さ・強硬な姿勢は見られなかった。
今、お竹が求めているのは愛だの欲望だの絆だのではない。
男女が寄り添うための契りと覚悟である。
対して桃太郎が口にしているのは、ごく表面的で情緒から出る言い逃れでしかない。
精神が追いついていない故の逃避であるのか、事の重さ故の防衛であるかは彦八には分かりかねるが、桃太郎のどんな返事もお竹は承服しないだろう。
それほどに頑とした主張であり、逃げ場を奪った問い掛けなのだ。
「たけ。お前を求めるだけではいけないということなのだな」
横並びで腰を下ろしていた態勢から、桃太郎は腰を浮かせてお竹の正面へ回り、両肩に手を置いた。
SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[466] By とおりながら34
09-12 22:50

向かい合わせになってもお竹に動揺の色はない。
拒むこともしないが引き込むこともしない。
(これはすでに……)
二人は家族という関係を越えていたのでは、と彦八に思わせる。
「おたけ」
囁く桃太郎の口元を指でさえぎり、お竹はぐるりと視線で桃太郎を舐めた。
数瞬前と打って変わって、いざない、導き、引きずり込むような妖しい表情。しかしすでに抑制の利かない雌の顔になって求め、すぐに桃太郎を待つ純真な微笑へと顔相を変えた。
一方の桃太郎は態勢を変えることなくお竹を凝視しているが、その腕は震えはじめ、やがて肩から背中を揺らし、一瞬天に向かって声にならぬ咆哮をあげてお竹を引き寄せ、
顔と顔をぶつけるように口づけをした。お竹も機を得たりと、互いが互いを貪るように荒々しく唇を奪い合う。
彦八は確信した。
人気の無い山中で抱き合っている息子と娘は、すでに彦八の知る拾い子らではない。
随分以前からこうして抱き合っている若い雄と雌だったのだ、と。

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[467] By とおりながら35
09-30 23:07

風もなく虫も鳴かぬ静かな夜。
彦八の耳に届くのは二つの獣が発する呼吸と、肉体を接する音、衣が引き合い擦れる音だけである。
そう、もはや色恋じみた官能の雰囲気ではない。
噛み付くように口づけし、掻きむしるように乳房に触れ、叩くように尻を押し上げ、締め上げるように背に腕を回す。
桃太郎はお竹の乳頭を食いちぎらんばかりに吸い付くし、お竹も桃太郎の血を啜らんばかりに首筋に張り付いてついばむ。
互いに一つ一つの挙動の合間に吐息を付くが、この荒々しさは男女のまぐわいではなく、闘犬か獣類の決闘を思わせる。
(青い。だがしかし)
二人の興奮が匂ってきそうな高ぶりは彦八をも熱くしていた。
SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[468] By とおりながら
11-11 18:10

「近々」がいきなり来るとビビりますな

旧板として残ってホッとした


SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[469] By と36
12-13 21:37

それは彦八の懐古でもあり男の本能を失っていない証でもある。
と、お竹が伸び上がりのけ反るように天を仰ぐ。
桃太郎もそれを押し上げるように、いやつなぎ止めるように腕を抱き回して天に向く。
(まぐわってはいないようだが、共に果てたか?)
立て掛けられた棒切れが倒れるように寝転がった二人はそう見えた。

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[470] By とおりながら37
01-30 23:26

余韻を貪っているのか、体力の回復を待っているのか分からないが、ぴくりともしなくなった二人を眺め彦八は(ここにい続けても仕方なし)と静かに立ち去る。
山猫が歩くように枝葉を揺らさずボロ屋へ駆け降りながら、彦八は苦悩し始めていた。
「起こり得ないこと」と決め付けていたであろう自身の警戒心の無さと、「起こっていたこと」に対する策の無さは老齢を迎えても尚(未熟である)と自責してしまうのだ。
「これはまいったぞ」
ボロ屋に近付き周囲に人の気配が無いことを確かめ、彦八は一人ごちた。

SH006
[編集] 妹の部屋覗き
[471] By と38
06-19 19:57

しばらくしてお竹が戻り、また間をあけて桃太郎が戻りボロ屋は変哲無い普段の姿に戻った。
隠れ潜んで全てを見届けた彦八は、これからを考えるにあたり(急ぐべきか遅らせるべきか)にとらわれる。
とりま、彦八はボロ屋から身を離し昼まで身を隠すべく音も立てずに山谷を下った。

SH006
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